第82話彼女を信用してはいけない

「ビアンカ、大丈夫か? またエミリーに何かされたのか?」

ビアンカはエミリーに突き飛ばされ、よろめいた。

どこからともなくジェームズが現れ、間一髪で彼女を支え、心配そうに問いかけた。

ビアンカは彼だとわかると、目の縁をうっすら赤くしながらも唇を噛んで平気なふりをした。「ううん。姉はわざと突き飛ばしたんじゃないの。きっと急ぎの用があったのよ!」

ジェームズは鼻で笑った。「あいつはここで知り合いなんていない。口のうまさで俺の叔父を丸め込んで審査員にさせただけだ。急ぎの用だって? そんなものあるわけないだろ。心配するな、競技が終わったら必ず帰らせて、二度と騒ぎを起こせないようにしてやる」

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